先日、東洋経済ONLINEで「つくば市立谷田部中『デジタル教科書活用のメリット』公立でこそ期待の理由」(2022年6月14日)という記事がありました。GIGAスクール構想の一環として、文部科学省はデジタル教科書の本格導入を2024年度に計画していて、22年度4月から全国の小・中学校に外国語(英語)のデジタル教科書が無償で提供されています。このような状況のもとで、茨城県つくば市では、それに先立つ形で21年度の秋からデジタル教科書の実証研究を開始していています。この記事では、つくば市立谷田部中学校での事例が紹介されています。この記事をきっかけにしてICT教育・デジタル教科書の公立の小学校・中学校でのメリットを考えてみたいと思います。
2022年8月9日にデジタル教科書の教員の視点からのメリットとデメリット(留意点)の記事「デジタル教科書の教員の視点からのメリット等」を書きましたが、そこでは以下のことをメリットとして記載しています。
[児童・生徒の学習の進捗状況を把握することができる]
デジタル教科書やデジタル教材の場合、児童・生徒の学習のログ(履歴)を記録して、一人ひとりの学習時間を把握したり、また、小テストなどの得点集計をおこなったりすることで、児童・生徒の理解度や学習の進捗状況を把握することができます。このことで授業を進める上での課題が見えやすくなり、また、指導方法の改善などにつなげることができます。
公立の小学校や中学校の場合、先へ先へと進みたい児童・生徒もいれば、自分のペースでゆったり学ぶタイプの学習者である、いわゆる「スローラーナー」の児童・生徒もいるわけです。これらの児童・生徒がみんな一緒に学んでいるのです。ICT(情報通信技術)教育の試みについては、私立校で新しい取り組みがなされていることが注目されがちですが、つくば市立谷田部中学校の事例のように、多様な児童・生徒がいる公立校での新しい取り組みが注目されるべきものと思われます。江戸川区における小学校・中学校においてICT教育についての新しい取り組みがなされ、小学校・中学校の児童・生徒の学力水準の向上がなされることが期待されます。(筆者金井たかしのプロフィール)
自治体スクールコンプライアンス研究所 (東京都江戸川区)
代表 弁護士 金井高志(金井たかし)
(江戸川区在住 弁護士 武蔵野大学[江東区]法学部・大学院教授)
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