2022年8月2日の記事で「デジタル教科書のメリットとデメリットの視点」を書いています。また8月7日には「デジタル教科書の生徒の視点からのメリット等」の記事を書いています。今回は、教員の視点から、GIGAスクール構想の一環として文部科学省によりなされるデジタル教科書の本格導入に関連して、デジタル教科書・デジタル教材(教科書での学習をサポートするもの)のメリットとデメリット(留意点)を私なりに考えてみたいと思います。
教員の視点からの主なメリットとデメリット(留意点)
メリット
(1)児童・生徒の学習の進捗状況を把握することができる
デジタル教科書やデジタル教材の場合、児童・生徒の学習のログ(履歴)を記録して、一人ひとりの学習時間を把握したり、また、小テストなどの得点集計をおこなったりすることで、児童・生徒の理解度や学習の進捗状況を把握することができます。このことで授業を進める上での課題が見えやすくなり、また、指導方法の改善などにつなげることができます。
(2)授業の記録をすることで指導方法の改善・共有をすることができる
授業の記録をできることがデジタル教科書やデジタル教材のよい点で、児童・生徒の学習の進捗状況を考えながら、過去の授業内容を振り返ることができ、よい授業のための改善策を考えることができ、また、よい授業をモデル授業として他の教員と共有することができます。
デメリット(留意点)
(1)タブレット端末などの故障のリスクやセキュリティなどの対策を考える必要がある
タブレット端末などの故障に備えて、予備のタブレット端末などを用意しておく、また、セキュリティソフトなどを使用したコンピュータウイルス対策が必要になります。また、オンラインでのデータのやりとりを考えると、一定速度以上の回線等の整備も必要となります。
(2)デジタル教科書・デジタル教材を活用した授業方法について研究する必要がある
デジタル教科書・デジタル教材の使い方を理解し、それによる授業方法を研究し、また、著作権に関する注意点を守ることが必要になります。教員にICTリテラシーが要求されます。
デジタル教科書・デジタル教材の利用について、教員側のメリットとデメリット(留意点)としての主な点としては上のように整理をすることができると思います。デジタル教科書やデジタル教材には多くのメリットがあるのですが、デメリットもあるわけです。教育現場として、発生する可能性があるデメリットをできる限り少なくするように留意していくことが大切になると思います。(筆者金井たかしのプロフィール)
自治体スクールコンプライアンス研究所 (東京都江戸川区)
代表 弁護士 金井高志(金井たかし)
(江戸川区在住 弁護士 武蔵野大学[江東区]法学部・大学院教授)
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