2022年8月25日の「日経クロステック」で「先進校は起業教育に挑む一方で停滞校も、GIGAスクールで広がる格差」(貴島逸斗執筆)が載っていました。ここでは、GIGAスクール構想において学校間におけるICT(Information and Communication Technology:情報処理および通信技術)の活用状況の格差の問題が指摘されていました。
私は、インターネット・ICT業界で長く仕事をして、LINE株式会社の監査役などをしてきていることから教育現場におけるICTの課題に関心をもっています。そこで、この記事をきっかけとして考えることを少し書いて起きたいと思います。
この記事では「GIGAスクール構想は従来型の授業から脱却し、学習データの分析などを通じて生徒一人ひとりに最適な学びを実現する狙いがある。学校間の格差をこのまま放置すれば、同構想が目指す『Society 5.0時代に向けた人材育成』が絵に描いた餅になりかねない。」と指摘されています。また、経団連EdTech戦略検討会の座長を務める小宮山利恵子スタディサプリ教育AI研究所所長のコメントとして「学校間、自治体間、さらに先生の間でも端末の活用状況には格差がある」という課題を指摘しています。
他に、小宮山所長のコメントとして、先進的な自治体では「数学や英語など積み上げ型と呼ばれる教科の授業時間を端末の活用で減らした例もある。短縮で得られた時間をこれまで学校で対応できていなかった起業家教育などの探求的な学びに活用している」ということも紹介されています。
江戸川区における小学校・中学校の学力水準は、23区のランキングでかなり低いところにあります。ICTの導入により少しでも学力水準の向上を目指すことができればと思います。江戸川区全体で、そして、学校間での活用状況の格差が生じないよう、また、先生の間で活用状況の格差が生じないよう、ICTの活用について積極的な施策をとる必要があるように思います。ICTの力で、少しでも、江戸川区における小学生や中学生の学力を向上させることができるよう、いろいろと考えないといけないと思います。(筆者金井たかしのプロフィール)
自治体スクールコンプライアンス研究所 (東京都江戸川区)
弁護士 金井高志(金井たかし)
(江戸川区在住 弁護士 武蔵野大学[江東区]法学部・大学院教授)
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