2022年11月8日の日本経済新聞で「東京都、防潮堤かさ上げ 最大1.4メートル 温暖化の海面上昇想定」という見出しの記事が掲載され、また、2022年11月11日都政新報においても「温暖化対策で防潮堤かさ上げ 2100年の水位見据え計画案」という見出しの記事が掲載されています。この防潮堤のかさ上げは江戸川区の葛西地区に関係することから、この問題について確認してみることにします。
東京都は11月7日に地球温暖化による海面上昇や台風の強大化に備えるために「東京湾沿岸海岸保全基本計画[東京都区間](案)」を公表したものです。この計画案について「『東京湾沿岸海岸保全基本計画[東京都区間]』 (改定案) に関する都民意見の募集について」のページで12月6日までパブリックコメント(意見公募)が行われています。
この計画案について、都政新報では以下の内容が報道されています。
「都港湾局・・・・・が海面水位上昇のシミュレーションを行った結果、将来的に約半分の防潮堤で高潮などの被害が防げなくなることが判明。現地調査を行った上で最大1・4メートルのかさ上げを進める考え。」
「改定案の策定に当たっては20年、気候変動を踏まえて都の臨海部の治水のあり方を検討する専門家会議を立ち上げ、将来的な気候変動と高潮の被害を検証。約80年後の2100年に年間の平均気温が2度上昇し、さらに1959年の伊勢湾台風を上回る勢力の台風襲来を仮定した上で、被害想定をシミュレーションしたところ、現在の防潮堤では将来的に被害が防げなくなる可能性があることが分かったという。」
この記事を読んで、防災対策は数十年単位で計画を立てる必要があるもので、今回の東京都港湾局「東京沿岸海岸保全基本計画(東京区間)」の改定案の内容が、約80年後の2100年のことを想定していることにつき、素晴らしいことであると感じました。行政の役割は現在の課題への対処をすることだけではなく、将来の孫の世代のために、いろいろなことを検討していくこともその役割になるわけです。(筆者金井たかし(高志)のプロフィール)
弁護士 金井たかし(金井高志)
(江戸川区在住 弁護士 武蔵野大学[江東区]法学部・大学院教授)
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