2022年11月8日の日経新聞で「東京都、防潮堤かさ上げ 最大1.4メートル 温暖化の海面上昇想定」という見出しの記事、また、2022年11月11日都政新報においても「温暖化対策で防潮堤かさ上げ 2100年の水位見据え計画案」という見出しの記事が掲載されています。この問題については2022年11月20日に「葛西地区 防潮堤かさ上げ」というブログ記事で取り上げましたが、この防潮堤のかさ上げは江戸川区の葛西地区に関係することから、今回はより詳しく確認してみることにします。
都政新報では、都港湾局が、地球温暖化による2100年の海面水位上昇を見据え、東京湾の防潮堤をかさ上げする計画案を公表したこと、また、現地調査を行った上で最大1・4メートルのかさ上げを進める考えがあることが報道されていました。
江戸川区に関係する防潮堤のかさ上げについて、東京都港湾局「東京沿岸海岸保全基本計画(東京区間)」の改定案の内容を見てみると、葛西地区の葛西臨海公園の内における防潮堤が対象となっています。
都政新報の記事では、江戸川区に関する課題が記載され、葛西臨海公園の問題が指摘されています。
「防潮堤が所在する江戸川区や品川区など6区では東京湾の運河を活用した水辺空間の創出や災害時の避難救護の計画を打ち出しており、こうした計画との整合も欠かせない。同局(港湾局)は改定案の作成時に区とも調整しているが、公園内にある防潮堤をかさ上げした場合には公園の通路を遮断してしまうケースも想定されるといい、水辺空間の創出に影響が出る可能性がある。かさ上げ計画策定後は引き続き具体的な規模や予算、工期などを示す『整備計画』を策定する予定。」
今回の東京都港湾局「東京沿岸海岸保全基本計画(東京区間)」の改定案の内容が約80年後の2100年のことを想定して、災害対策のリスク管理(リスクマネジメント)を検討していることは大切なことです。ただ、自然災害はいつ起こるか分らないものであることも確かです。防潮堤のかさ上げが完成する前には、防潮堤のかさ上げが完成していないことを前提として被害を最小限にする対策も考えていかないといけないものと思います。(筆者金井たかし(高志)のプロフィール)
弁護士 金井たかし(金井高志)
(江戸川区在住 弁護士 武蔵野大学[江東区]法学部・大学院教授)
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